この記事の結論
- 陰陽五行は、生年月日から求めた「日干(にっかん)」を十干の五行・陰陽に読みかえて算出します。日干が甲なら陽の木、丁なら陰の火です。
- 日干は、生年月日をユリウス通日(JDN)という通し番号に直し、日干=(JDN+9)÷10の余り、日支=(JDN+1)÷12の余りで求まります。
- 算命学では1日の切り替わりや月の区切り(節入り)を暦のルールで扱うため、境目の日付は万年暦や暦要項での確認が必要とされます。
「陰陽五行を算出する」と言うとき、算命学で実際に計算しているのは**生まれた日の十干、すなわち「日干(にっかん)」**です。日干が決まれば、十干は木・火・土・金・水の五行と陰陽にそれぞれ1対1で対応しているので、陰陽五行はそのまま読み取れます。この記事では、生年月日から日干を求める手順、十干・十二支の五行早見表、実際の計算例2つを順番に解説します。陰陽五行という考え方そのものや命式の全体像については算命学とは|命式の読み方と十干十二支・陰陽五行の基礎もあわせてご覧ください。
陰陽五行は「日干」から算出する
算命学では、生まれた年・月・日それぞれに六十干支(ろくじゅうかんし)を割り当てて命式(めいしき)を組みます。その中心に置かれるのが生まれた日の干支、いわゆる日干支(にっかんし)で、その上半分にあたる十干が日干です。
日干は命式の中で「自分自身」を表すとされ、算命学ではここを起点に他の干支との関係を読んでいきます。したがって「自分の陰陽五行を知りたい」という問いは、実務的には「自分の日干を出したい」という問いとほぼ同じです。
十干は、木・火・土・金・水の五行それぞれに陽(兄=え)と陰(弟=と)を割り当てた10種類なので、日干さえ決まれば陰陽と五行は迷いなく決まります。
日干・日支を算出する3ステップ
日干支は日付ハッシュのような擬似的な割り当てではなく、実在の暦の上で1日ずつ順番に進む六十干支です。そのため、日付を「通し番号」に直してしまえば、あとは割り算の余りで機械的に求まります。
ステップ1:生年月日をユリウス通日(JDN)に直す
ユリウス通日(JDN)は、紀元前4713年1月1日を第0日として日数を数えた天文学の通し番号で、国立天文台 暦計算室の暦Wiki「ユリウス日」に定義があります。グレゴリオ暦の y 年 m 月 d 日に対して、次の式で整数の JDN が求まります(すべて切り捨ての整数演算です)。
a = (14 − m) ÷ 12の商(整数部分)Y = y + 4800 − aM = m + 12a − 3JDN = d + (153M + 2) ÷ 5 の商 + 365Y + Y ÷ 4 の商 − Y ÷ 100 の商 + Y ÷ 400 の商 − 32045
ステップ2:余りから日干・日支を求める
| 求めるもの | 計算式 | 余りの読みかた |
|---|---|---|
| 日干(十干) | (JDN + 9) を 10 で割った余り | 0=甲 1=乙 2=丙 3=丁 4=戊 5=己 6=庚 7=辛 8=壬 9=癸 |
| 日支(十二支) | (JDN + 1) を 12 で割った余り | 0=子 1=丑 2=寅 3=卯 4=辰 5=巳 6=午 7=未 8=申 9=酉 10=戌 11=亥 |
ここで使う十干10種・十二支12種の並び順と読み方は、国立天文台 暦計算室の暦Wiki「十干」・暦Wiki「十二支」の一覧によります。十干と十二支を組み合わせて60日で一巡する数え方そのものは暦Wiki「干支」で解説されており、日付に干支を用いる方法は殷代の甲骨文にさかのぼるとされています。
ステップ3:日干を陰陽五行に読みかえる
出た日干を、次の節の早見表で五行と陰陽に読みかえれば算出は完了です。
この規則は、1900年1月1日から2100年12月31日までの73,414日について、まったく別の考え方の式(「1949年10月1日は甲子の日」を起点に、そこからの経過日数を60で割った余りで数える方法)と突き合わせ、不一致0件であることを確認しています。あわせて、広く知られている日干支の値である1900年1月1日=甲戌、1949年10月1日=甲子、2000年1月1日=戊午の3点とも一致します。
十干と陰陽五行の早見表
日干が決まったら、この表を引くだけです。読み方の「え」は兄(陽)、「と」は弟(陰)を表しています。
| 十干 | 訓読み | 音読み | 五行 | 陰陽 | 象徴されるとされるもの |
|---|---|---|---|---|---|
| 甲 | きのえ | こう | 木 | 陽 | まっすぐ伸びる大樹 |
| 乙 | きのと | おつ | 木 | 陰 | しなやかな草花 |
| 丙 | ひのえ | へい | 火 | 陽 | 周囲を照らす太陽 |
| 丁 | ひのと | てい | 火 | 陰 | 静かに燃える灯火 |
| 戊 | つちのえ | ぼ | 土 | 陽 | どっしりとした山 |
| 己 | つちのと | き | 土 | 陰 | 作物を育てる田畑 |
| 庚 | かのえ | こう | 金 | 陽 | 鍛えられた刃 |
| 辛 | かのと | しん | 金 | 陰 | 磨かれた宝石 |
| 壬 | みずのえ | じん | 水 | 陽 | 流れゆく大河 |
| 癸 | みずのと | き | 水 | 陰 | 静かに潤す雨露 |
十干は「木・火・土・金・水」の順に2つずつ、陽→陰の順で並んでいます。この並び自体が五行の相生(そうしょう。木→火→土→金→水→木と育てていく巡り)の順序になっているため、表を覚えなくても順番から五行を復元できます。
十二支と五行の早見表
日支(十二支)にも五行が割り当てられています。こちらは十干のような規則的な繰り返しではなく、伝統的に定められた対応です。
| 十二支 | 読み | 五行 | 十二支 | 読み | 五行 |
|---|---|---|---|---|---|
| 子 | ね | 水 | 午 | うま | 火 |
| 丑 | うし | 土 | 未 | ひつじ | 土 |
| 寅 | とら | 木 | 申 | さる | 金 |
| 卯 | う | 木 | 酉 | とり | 金 |
| 辰 | たつ | 土 | 戌 | いぬ | 土 |
| 巳 | み | 火 | 亥 | い | 水 |
土が丑・辰・未・戌の4つに割り当てられ、各季節の変わり目にあたる位置に置かれているのが特徴です。日干と日支の五行が相生の関係にあるか、それとも相剋(そうこく)の関係にあるかを見ていくのが、命式を読む次の一歩とされています。
計算例1:1985年7月7日生まれ
ステップ1(JDN):m = 7 なので a = 0、Y = 1985 + 4800 = 6785、M = 7 − 3 = 4。
- (153 × 4 + 2) ÷ 5 の商 = 614 ÷ 5 の商 = 122
- 365 × 6785 = 2,476,525
- 6785 ÷ 4 の商 = 1696、6785 ÷ 100 の商 = 67、6785 ÷ 400 の商 = 16
JDN = 7 + 122 + 2,476,525 + 1,696 − 67 + 16 − 32,045 = 2,446,254
ステップ2(余り):
- 日干 = (2,446,254 + 9) ÷ 10 の余り = 2,446,263 ÷ 10 の余り = 3 → 丁
- 日支 = (2,446,254 + 1) ÷ 12 の余り = 2,446,255 ÷ 12 の余り = 7 → 未
ステップ3(読みかえ):日干支は丁未(ひのとひつじ)。日干の丁は陰の火なので、この日に生まれた方の陰陽五行は「火の陰」ということになります。
計算例2:2000年3月3日生まれ
ステップ1(JDN):m = 3 なので a = 0、Y = 2000 + 4800 = 6800、M = 3 − 3 = 0。
- (153 × 0 + 2) ÷ 5 の商 = 0
- 365 × 6800 = 2,482,000
- 6800 ÷ 4 の商 = 1700、6800 ÷ 100 の商 = 68、6800 ÷ 400 の商 = 17
JDN = 3 + 0 + 2,482,000 + 1,700 − 68 + 17 − 32,045 = 2,451,607
ステップ2(余り):
- 日干 = (2,451,607 + 9) ÷ 10 の余り = 6 → 庚
- 日支 = (2,451,607 + 1) ÷ 12 の余り = 8 → 申
ステップ3(読みかえ):日干支は庚申(かのえさる)。日干の庚は陽の金です。日支の申も五行は金なので、日干と日支がどちらも金という組み合わせにあたります。六十干支60種それぞれの意味は算命学 六十干支辞典、60種を1枚にまとめた表は六十干支 早見表で確認できます。
算出でつまずきやすい3つの点
1. 1日の切り替わりをどこに置くか
日付が変わる瞬間を午前0時とするか、干支の「子の刻」の始まり(前日の23時)とするかは流派によって扱いが分かれます。夜遅い時刻に生まれた方は、流派によって日干支が1つずれる場合があるとされています。
2. 年と月の干支には別のルールがある
この記事で扱っているのは日干支の算出です。年の干支は立春、月の干支はその月の「節入り」で切り替わるとされ、1月1日や毎月1日では切り替わりません。2026年の節入り日時は二十四節気 2026年の日付一覧表にまとめています。
3. 計算結果は「そのまま性格の断定」ではない
算命学では、日干の五行はあくまで命式全体を読むための出発点とされます。日干だけで人物像が決まるという読み方はされません。日干支そのものの意味の読み方は日干支とは?調べ方と意味で解説しています。
計算規則の出典と検算
上の計算式で使っている暦のきまりごと(何をどう数えるか)は、次の公開資料に依拠しています。日干の五行がどんな性質を象徴するとされるかといった占い上の意味づけは流派によって異なるため、下の資料の範囲外です。
| 記事で使っている規則 | 出典 |
|---|---|
| ユリウス通日(JDN)の定義 | 国立天文台 暦計算室 暦Wiki「ユリウス日」 |
| 十干10種の並び順と読み方 | 国立天文台 暦計算室 暦Wiki「十干」 |
| 十二支12種の並び順と読み方 | 国立天文台 暦計算室 暦Wiki「十二支」 |
| 十干と十二支を組み合わせて60で一巡する数え方、日付への用い方 | 国立天文台 暦計算室 暦Wiki「干支」 |
| 六十干支60種のよみ方一覧 | 国立天文台 暦計算室 こよみ用語解説「六十干支のよみ方」 |
| 年・月の区切り(立春・節入り)の日時 | 国立天文台 暦要項 令和8年(2026)「二十四節気および雑節」 |
JDN から日干支を求める式(日干=(JDN+9) mod 10 / 日支=(JDN+1) mod 12)そのものは、上の資料に載っている表記ではなく、暦Wikiの数え方を計算式の形に置き換えたものです。そのため、1900年1月1日から2100年12月31日までの73,414日について別系統の式と突き合わせて不一致0件であること、および広く知られた3つの日付(1900年1月1日=甲戌、1949年10月1日=甲子、2000年1月1日=戊午)と一致することを確認したうえで掲載しています。
まとめ
陰陽五行の算出とは、生年月日から日干を求め、十干を五行と陰陽に読みかえる作業です。ユリウス通日を経由すれば、暦の表がなくても電卓だけで日干支まで到達できます。自分の日干支が分かったら、算命学 六十干支辞典で60種それぞれの意味を読んでみてください。同じ陰陽五行の考え方を土台にした易学の六十四卦は易経六十四卦辞典にまとめています。
よくある質問
陰陽五行は生年月日のどこから算出しますか?
生まれた日の十干、すなわち日干から算出します。日干が決まれば、十干は木・火・土・金・水と陰陽に1対1で対応しているため、陰陽五行はそのまま読み取れます。日干は生年月日をユリウス通日に直し、(JDN+9)を10で割った余りで求まります。
生まれた年の干支ではだめですか?
算命学では、命式の中心に置かれ「自分自身」を表すとされるのは日干です。年の干支(いわゆる「えと」)は命式の一部ではありますが、中心には置かれません。また年の干支は1月1日ではなく立春で切り替わるとされるため、1月・2月生まれの方はとくに注意が必要です。
計算した日干支が他のサイトと1つずれています。なぜですか?
多いのは、1日の切り替わりを午前0時とするか前日23時(子の刻の始まり)とするかの違いです。夜23時台に生まれた方は、この扱いによって日干支が1つ進むことがあります。また、生まれた場所の時差(地方時)を補正する流派もあります。境目にあたる方は、万年暦や専門家の確認をおすすめします。
※本記事は娯楽・参考情報であり、結果を保証するものではありません。健康・法律・お金などの重要な判断は、それぞれの専門家にご相談ください。